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2004年6月15日(火)6時30分より、第25回舞踊ゼミナールが日本橋劇場にて開催された。今回のテーマは中国の楽器「二胡」。二胡奏者のを姜建華(ジャン ジェンホア)女さんを迎えての聴きごたえ、見ごたえのある公演となった。
総合司会の北井一郎氏の挨拶で幕が開いた。
第一部は特別ゲストの姜建華(ジャン ジェンホア)さんを囲み、司会の猿若清三郎氏・日本舞踊の花柳昌太朗氏・バレエの橋浦勇氏の対談であった。
司会の猿若清三郎氏が「バレエ・現代舞踊・児童舞踊・日舞の4ジャンルにあったテーマを探すのが一苦労。今回は4ジャンルを飛び越えて、中国の楽器二胡にした」と述べると、流暢な、しかもしっとりと響く声でジャン氏が二胡についての説明と、思い入れの深いバレエのテーマ曲である「二泉映月」の一節を演奏した。
生の演奏に観客は魅了され、いつもとひと味違うゼミナールに、これから始まる4ジャンルの作品への期待が高まった様子であった。
第2部は各団体による舞踊「二胡の調べにのせて」そして、今回の4ジャンル共通課題曲は「中国のギャロップ」
最初に賀来富士子さんによる振り付けの児童舞踊。課題曲「中国のギャ
ロップ」は、そのリズムをとらえ子供らしく溌刺としいてたのが印象的だっ た。テーマ曲「春」は、いかにも中国の早春を思わせる可愛らしい作品であった。最後の春競馬のシーンでは、衣装に大きな馬の頭をつけ、横一列一斉に走り抜けてくる様が、中国の広大な草原を思わせる迫力であった。
馬に乗った子供達の真剣な表情が胸を打った。
作者のコメントには「美しい澄み切った二胡の弦の青から、野山で樹木・花々が芽吹いてくる早春の訪れを子供達が五感で感じ、草原を友達と馬に乗って駆け巡り競い、春を迎える度に自分自身の成長を感じる風景を表現
してみました」とある。
2番目は松崎えりさん振り付けのバレエ。テーマ曲「二泉映月」はジェンホア氏の思い入れ深い曲。まず初めに目に飛び込んできたのは、上手のホリ一杯に映った大きな月。その月明かりのもとで踊る、男女のシルエツト。二人の踊る背景にヨーロッパの城ではなく、中国の山々を感じたのは私だけであろうか。
途中から出現した白いフラフープのような輪が「月と泉」を対比させ、表現されていた。
作者は「音と光が落ちた先に月を見た。月と戯れるは…」とコメントしている。
3番目は矢作聡子さんによる振り付けの現代舞踊。テーマ曲は「G線上のアリア」高さ30センチほどの小さな缶のような物の上で、絶妙なバランスをとりながら踊った。ターンやジャンプをする度に重さを伴って身体に巻き付く白い衣装を着替え、課題曲へ。黒いスパッツとTシャツ、手にスニーカーをはくという意表をついた演出だった。
作者は「私は最近、重力=G ということがとても気になっている。今回、衣装を編んでくれたパリの友人、橋詰佳奈さんも重力に夢中なのだそうだ。私はこの重力の支配する地上で人間としてあたり前のことがしたいと思っている。「G線上のマリア)になれるだろうか…。〜二胡による息の長い旋律が流れる〜何かを孕むために、今日跳ぶ」とコメントしている。
4番目は花柳せいらさん振り付けの日本舞踊。テーマ曲は「絃歌幻想・空山鳥語」無音で上手から気品溢れる白い鳥が一枚の羽を落とすところから始まる。自由に飛び回る鳥に思いを寄せる若い女性の心と、清楚で存在感のある鳥の対比が絶妙であった。 作者のコメントは「与えられた2曲を最初に聴いた時に感じた「天と地 …その異なる世界へのそれぞれの想いとは」といったテーマを、二人の女性の肉体を通して表現することに挑戦いたしました」であった。
第3部は猿著清三郎氏の司会で、各振付担当者の「作品について」とい う座談会。それぞれが振り付けるに思ってきた事、感じてきた事を語った。
第4部は、課題曲「中国のギャロップ」で4ジャンルが同時に踊る恒例 のスクランブル。ギャロップというリズムのある曲のとらえ方がそれぞれで、変化のある場面であった。
最後に客席で見ていたジェンホアさんは「それぞれ違って、目で楽しめ た。中国のギャロップは、こんな表現ができるんだなあと思った。みなさ んに、こんなに二胡を聴いていただいて、感謝の気持ちで一杯です。」と いう感想で「舞踊ゼミナール」の幕は閉じた。
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