第二十二回
「足の強い少女」

冬将軍

 


下駄 凍てる冬の日でも素足に下駄で散歩している。ご近所さんが冷たくないですか?寒くないですか?と挨拶するが、私は平気。
東北の雪国育ちで、雪の中を素足で駆け回って遊んでいたので、靴は妙に窮屈だ。少年時代の習慣は今でもつい素足に下駄。

公園の道で少女につかまった。「おじさんの足寒くても平気なんだってね」。どうも有名になっていたらしい。「ワタシもね、足は強いんだよ」。
少女のお姉さんはフラメンコをやっているのだそうだ。バタバタ足を踏むので、時々その真似をしているので足は強いと自慢している。「見せてあげるわよ」少女は公園の策に寄りかかって身構えた。

「来たよ来たよ、おじさんみててね」。

路上喫煙禁止一人の青年がタバコをふかしながら歩いて来る。そして歩道に吸い殻をポイと捨てる。少女は咄嗟に駆け出して吸い殻を踏みつぶす。「おじさんここの道路は路上喫煙禁止なのよ、あのお兄さん2つ悪い事をして行った。歩きながらのタバコでしょう、そしてタバコのポイ捨てでしょう」。
少女の踏みつぶす動作は素早かった。
「おじさんワタシの足は強いでしょう。コンクリートの歩道の上のポイ捨ては、火事にはならないと言うんだけれど、ワタシとても気にかかるのよ。時々ここでポイ捨てを踏んづけているの」。
その少女が近頃姿を見せない。引っ越しで遠くへでも行ったのだろうか…。

 

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