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新宿御苑に<緑色の桜>があると聞いてホッとした。少年期、野花が好きでよく野山で草花と遊んでいた。
赤・白・黄。紫…と、花たちは可憐に咲いて私を待って呉れていたが、ついぞ緑色の花には出会えなかった。
先生に問うと、「葉っぱは緑なんだから、花を同じ緑にしたら目立たないだろう。花は主役だ、人を引きつける力がないといけない。だから神様、花に緑をどけた残りのいろんな色を与え、魅力的な存在にしてあげたんだよ」。なんだかどけられた緑色がとても気の毒になり同情の念をもったものだ。
40年前に初めての舞踊公演を企画したが、突然同情心に見舞われて、緑色を主役にしてあげたいと、その色を衣装に用意していた。
だが照明屋さんに「緑はアカリをかけると、色がよどんで沈みがちで綺麗じゃないよ」。
あれから照明の技術も進み、今ではそんな問題がないと思うのだが、<緑色の花>だけは解決を見ていない。
ある方が、世界には緑の花は無い事は無いと話して呉れたが、それを踏まえ、今年こそ御苑の<緑色の桜>をこの目で確かめ、緑色を取り巻いた長年のこだわりから解放されたい。
自然のアカリを受けた、<緑色の桜>は、どんな優雅な色合いを見せて呉れるのであろうか…期待大である。
※御衣黄(桜) 花期はソメイヨシノより遅く、八重咲き。名前の由来は貴族の衣服の萌黄色に近いため。古くは「黄桜」「浅葱桜(浅黄桜)」などとも呼ばれていた。
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