藤間万惠
舞踊ゼミナールは毎回興味深い内容で、とくに今回は各分野の先生方のお話が充実し、実演もさることながらおはなしの部分にもっと時間を割いていただきたいと勝手ながら思ったほどです。是非わたくしも客席から拝見させていただきたかったです。
「島の千歳」をというお話をいただきまして、藤間流でも私のところは初代・藤間寿右衛門先生振付の本来男性の素踊りでやるものを女にうつしたかたちのものをずっとやらせて頂いているので今回あえてそれをなおさずそのままいたしましたが、どうしても男を女に直すというてんで無理があり完成度があがらず、振付というてんを大変先生方は重視なさると思いますので、果たしてその判断でよかったのか、新しく振りを付けなおして着付けも動きのでるような多少軽めのこしらえで演じたほうがよろしかったのではと疑問が残っております。いずれにしましても私達舞踊を志すものにとりまして大変勉強になる意義のある公演でこれからも益々のご発展をお祈りいたします。有難うございました。
花柳せいら
今回で舞踊ゼミナールの振り付けは3回目になります。前回までは、決まったテーマと指定の曲がありましたが、今回は、日本舞踊の今を見せるという、とてつもなく大きい難しい仕事でした。何をどう表現すれば正解なのか、なかなか答えを得られず、
「完成することが芸術ではない。未完成には未完成そのものの決意があるはずである。己れの現在的未熟を正視し、全責任を負うことが芸術の本質なのである。」(岡本太郎著『青春ピカソ』)
岡本太郎さんのこの言葉をヒントに、【日本舞踊の今】などとは申せませんが、その代わりに今回の作品では、【私自身の今】を日本舞踊の身体をもって表現させていただくことにいたしました。
悩むチャンスを与えてくださった全ての方に、この場をお借りして感謝いたします。ありがとうございました。


