私は最近、重力=Gということがとても気になっている。
今回、衣裳を編んでくれたパリの友人、橋詰佳奈さんも重力に夢中なのだそうだ。私はこの重力の支配する地上で人間として当たり前のことがしたいと思っている。「G線上のマリア」になれるだろうか…。
二胡による息の長い旋律が流れる〜。何かを育むために、今日も飛ぶ。
「G線上のアリア」を選択させていただきました動機としては、以前からとても好きな曲であったということ。現在ではヴァイオリンに限らずさまざまな楽器、または他の線でも弾かれておりますが、この「G線」は二胡による演奏ということで、とても興味をもったこと。などからの理由でした。
「G線」とは「アリア」とは…?
歌うかのように、美しい旋律の、鼓弓、空気、一本の弦、楽譜…などからイメージを出発、そして、横線=時間の経過、縦線=重力へと発展していきました。
私達にとって重力は、当たり前のこと過ぎて、日々このことについて真剣に考えることはあまりないと思いますが、もっとも身近で大切なことだと思います。
人は生まれてから死ぬまで、肉体は地を這うけれど、美しいものを見たり、聞いたり、感心したり、誰かを想ったり…することにより意識を解放させる。時々は母親のおなかの中でひざを抱えてうずくまっていた頃を懐かしみ(またはすでに体が知っていること)…。
今回は、この重力の不思議さを小さな台を用いることにより表現、または再認識していただけたらと。
それから、証明をつけたり消したり…繰り返すことにより、人生の一齣一齣、記憶の断片などが前後(フラッシュバック)するような…そんな感じをだすことにより、人生のすばらしさや儚さなどを感じていただけたらと思い作品に没頭いたしました。
今回、ニットで重力を表現して下さいました橋詰佳奈さん。ParisとTokyoの距離を物ともせず。彼女のおかげで、苦しいながらも楽しい産みとなりました。ありがとうございました。
矢作 聡子
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