日本舞踊 花柳 秀衛
メインテーマは「リズム」。音楽はインド・アフリカの打楽器音楽。
自分が作品を創るうえではまず選ばないであろう課題曲を耳にしたときは、驚きと戸惑いと不安でいっぱいでした。
「インド音楽に違和感なく入っていける日本のリズムは?」と考えたときにお経・声明が思い浮かび、自分のテーマを仏像をもとに想像したものに定め、振付に取り掛かりました。
照り輝く太陽と広大な空、乾いた土の匂いや熱風、そのどこかに感じられる宗教心。日本人の私たちとは違った清々しい中にも情熱的な明るい気質の音楽と、日本舞踊がかけ離れないことを何より心掛けながら一振り一・振り作りました。
仏の道へ誘う巫女的な役割をする二人の女性には、浄化や沙羅の花を思わせる白い布を使い、拍子を主体にした比較的規則正しいリズムの中での動き。迷い悩む女にはメロディの流れにそって曲線的なうねりのある振りを付け、それによって仏の世界と現世の違いを表現してみようと試みました。
また今回の公演は他ジャンルの方々と同じ音楽とテーマによる表現比較ということでしたので、自分なりに感じる日本舞踊の持つ動きの美しさ、それを通して発せられる、感じられる想いを表現したいと思いました。
そして、この公演を通して他ジャンルの先生方の作品からも、たくさんの刺激を受け勉強させて頂きました。自分にはない開放的で自由な発想、鍛えられた肉体を通しての逞しさと、柔らかさが共存して生まれる表現力の強さ。子供たちの素直で柔軟な感性を生き生きと描き出す作品作り。
自分の感性の乏しさを改めて感じるとともに、もっと視野を広げ物事を深く見つめ、感性を磨いていかなければと強く思いました。
最後に、この度このような貴重な勉強の機会を与えて下さいました先生方と、私の拙い振付に我慢強くお付き合い下さいました共演者のお二人に、心から感謝致したいと存じます。 |